森信三先生のことば

「一枚のはがき」

たった一枚のハガキで、しかもたった一言のコトバで、人を慰めたり励ましたり出来るとしたら、世にこれほど意義あることは少ないとも言えましょう。これわたくしが同志から送られるガリ刷りや印刷物に一々眼を通して、なるべく返事を書くようにしているのも、そこまで作り上げたその人の労苦の一たんが察せられるからです。しかしその場合、ハガキの返事は、単なる義理ではなくて、ある意味では本を書く以上に楽しくもあるからです。

(「不尽片言」)

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