物流現場の今

2月から、物流大手のヤマト運輸さんが宅配総量抑制や全面値上、サービスの見直しなど、立て続けに現場の改善に乗り出し、日本の物流に大きな変革が起きようとしています。このような状況の背景には、人手不足とインターネット通販の市場拡大による物流危機で長時間労働が常態化し、現在の人員体制では限界となっていることがあります。

ヤマ図1ト運輸さんは宅配便最大手で約5割のシェアを持っており、ネット通販の拡大などで、17年3月期の宅配便取扱個数は前期比7%増の18億5千万個と過去最高を見込んでいたが、想定を超えており、昨年末は急増した荷物をさばききれず一部遅配が生じました。

ヤマト運輸さんは労使一体で働き方改革に乗り出す方針で、具体的には、ネット通販会社など割引料金を適用する大口顧客に対して値上げを求めたり、再配達や夜間の時間帯指定サービスなども見直しをしようとしていて、このような見直しは人手不足である物流業界共通の課題なので、追随する動きも出てきており、 佐川急便さんと日本郵便さんもインターネット通販会社など大口顧客と個別に結んでいる宅配便の割引運賃契約の引上げを検討しているようで、実際に、現場からもそういった値上げの話が実施されているという報告が上がってきています。

図2 人手不足は、大手だけの問題ではなく、一般の運送会社の中小零細企業でも死活問題となってきています。弊社でも、トラックを増車していますが、人員の確保が上手くいっていない部門もあり、空車で止まっている車両があるのが実情で、コストをかけて募集してもまったく反響が無いことも多々あります。このような環境では、既存の乗務員さんたちがこれからもずっと弊社で働いていけるような環境づくりが更に必要となってくるので、ヤマト運輸さんのように弊社でも積極的なベースアップや賞与の支給を今後実施していこうと考えております。

図3 IMG_4533

また、人のところだけでなく、車両代や修理代、タイヤ代などの原価も少しずつではありますが、高騰してきており、今後はこういった状況を打破するためにも、経費の削減は勿論ですが、運賃への転嫁が必要になってくることも考えられますので、ご相談させていただいた時は、ご協力の程、よろしくお願い致します。

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